今までの許可制度に代わって、車両を登録しておけば、あとは運行の際に出発地と目的地を指定すれば、通行可能な経路を行政が支持してくれる制度が創設されます。
まだ細かい内容はよくわかりませんが、かなり運送会社様の負担を減らすことができる制度かと思われます。
でも、いくつか懸念事項はあります。

・車両の登録は、どの程度のレベルでやるのか?
まず初めに車両を登録するようなのですが、どんなデータを入力するのでしょうか?
諸元表なんかを取り寄せて、今の申請に必要なレベルでの車両データの入力が必要だと、結局最初に専門家の手を借りる必要が出てきます。
かと言って、幅と高さと長さと重さだけだと、各々の軸重が出ないですし、出そうと思ったらやっぱり諸元表は必要になります。
軸重オーバーが不問になることはないと思いますし、どうするのでしょうか。
また、最遠軸距によって総重量の限度も決まってくるんですが、最遠軸距を出すには、やはり諸元表が必要です。
運送会社様がその辺を自前でやるんでしょうか?

・未収録道路がまだまだ多い
これから急ピッチでまだ収録されていない経路を収録していくとのことですが、いまだに申請のたびに未収録道路が出てきます。
これからどんどんなくなるのでしょうか?
未収録道路がある限り、登録制度だけでは違法状態で走ることになります。
今年くらいに一気に未収録道路が減るのでしょうか。だとしたら非常にありがたいのですが。

・ETC2.0のデータを利用した取り締まり
登録制度になることにより、登録された車両の通行経路の監視をするとのことです。
ちゃんと車両を登録して、運行の都度、指定された経路のみを走行すれば問題ないのですが、毎回の経路の指定は、少人数の会社で実際に運用していける程度の作業内容ですむんでしょうか。
取り締まりも厳しくなるとの話ですし、運送会社様の中には拒否感を覚える方もいらっしゃるかもしれません。

あと、車両の諸元によっては登録制度は使えないので、工事に使用する大きな重機などを運ぶ車両は今までの制度にて運用することになります。
こちらも急に特車の許可が必要になることが非常に多いんですよね。
登録制度によって空いた行政のリソースで、こちらの許可がスムーズに出るようになれば非常にありがたいです。

新しい制度の詳細がどうなるのか、引き続き見ていきます。

国土交通省は特殊車両通行に関し、新たな制度を創設する。審査日数の短縮を図るとともに、地方道についても国による一元的な手続きの仕組みを設けるため、道路法改正案を今通常国会に提出する。改正案では特車通行について定めた同法第47条に条文を追加し、登録を受けた車両に限り、国が提示した通行可能経路を許可なしで通行できるようにする。併せて、国がETC2.0により登録車両の通行経路を記録することを法律に明記する。

引用元
https://www.fujibuturyu.co.jp/headlines/200203/03.html